とある銀行員がデータサイエンティストを目指すブログ

小さな地方銀行でのびのびと働くアラサーが、データサイエンティストとして働くことを命じられた!

「データサイエンティスト スキルチェックリスト」を読む ~ビジネス力・見習いレベル編~

どうもこんにちは!

 

前回の記事で、データサイエンティストに必要とされるスキルを、カテゴリとレベルごとに記載した「データサイエンティスト スキルチェックリスト」の概要を紹介しました。

kiwtn1010.hatenablog.com

 

こちらのチェックリストには全528のスキルが定義されており、スキルはビジネス力、データサイエンス力、データエンジニアリング力の3つのカテゴリと、Senior Data Scientist(業界代表)、Full Data Scientist(棟梁)、Associate Data Scientist(独り立ち)、Assistant Data Scientist(見習い)の4つのレベルに分類されています。

 

私のような全くの素人が目指すレベルは、Assistant Data Scientist(見習い)レベルが適当でしょう。
見習いレベルであっても必要なスキル数は100以上もあります。

 

本記事ではビジネス力カテゴリに絞って、今後の自身の学習計画も兼ねつつ、そのスキルの一覧とどのようにして習得を目指すかをまとめていきます。

 

スキルチェックリスト ビジネス力・見習いレベルの一覧と習得方針

 

 

 

1.行動規範

(1)ビジネスマインド

① ビジネスにおける論理とデータの重要性を理解し、分析的でデータドリブンな考え方に基づき行動できる

これは行動できるかどうか、なので意識付けの部分が大きいですね。
ビジネスにおける論理とデータの重要性は、銀行員として融資やマーケティングを5年ちょっとやっているので、概ね理解できているはずです。
後半部分の、分析的でデータドリブンな考え方、については「データドリブン」という聞きなれない言葉もありますので、どのような考え方なのかを人に説明できる程度にまで、理解しておく必要があります。

(追記:データドリブンについてまとめてみました)
kiwtn1010.hatenablog.com

 

② 「目的やゴールの設定がないままデータを分析しても、意味合いが出ない」ことを理解している

理解できています。
データ分析は目的やゴール達成のための道具だと思っています。
極論、ビジネスにおいては、データ分析しなくたって、最終的に目的にたどり着くのであればそれでよいです。

③ 課題や仮説を言語化することの重要性を理解している

理解できています。
ビジネスの現場には、様々なバックグラウンドや価値観、思い入れを持った人がいます。自分自身ははっきりと伝えている・理解しているつもりでも、ふわふわとした伝え方では思いのほか他人には伝わっていないものです(何度も痛い目を見てきたタイプですw)。
また、課題や仮説を言語化しておくことで結果の判定や振り返りも容易です。もし課題や仮説に変更があった際にも、何が変わったのかを認識しやすくなるメリットがあります。
課題や仮説のみならず、ビジネスゴール等、複数人で共有しておくべき事項は、極力言語化しておくことが望ましいでしょう。

④ 現場に出向いてヒヤリングするなど、一次情報に接することの重要性を理解している

理解できています。
一次情報はバイアスがかかっていない真水のようなもので、真の課題を認識すること等に極めて有用です。
ヒヤリングやインタビューを通じて、データ化されていない情報やニーズが得られることもあり、いかなるプロジェクトにおいても現場(顧客体験や業務プロセス)を意識することが大切だと考えています。

 

(2)データ倫理

① データを取り扱う人間として相応しい倫理を身に着けている(データのねつ造、改ざん、盗用を行わないなど)

身についているはずです。
不正はよくない。
(ちなみに、不正はいつかバレるといいますが、バレていない不正が仮にあっても認識できないはずなので、不正はいつかバレる説はなんとなく卑怯だと思っています)

 

(3)コンプライアンス

① 個人情報に関する法令(個人情報保護法EU一般データ保護規則GDPRなど)や、匿名加工情報の概要を理解し、守るべきポイントを説明できる

なんやよく分かりません。
データサイエンティストはもちろんデータを触るわけですので、データにまつわる知っておくべき法令を整理することを目指します。
具体的には、行政機関の一つである個人情報保護委員会の公式HPに、個人情報保護法に関する中小企業向けの留意点等をまとめた資料がありますので、それを読みつつ、本ブログ記事でまとめていくことを目指します。

www.ppc.go.jp

 

 

2.契約・権利保護

(1)契約

① 請負契約と準委任契約の違いを説明できる

説明できます。
請負契約と準委任契約は業務委託契約の種類です。
請負契約では、受注者は発注者が指定したものの完成を約束するもので、発注者はその過程を問いません。何人月かかろうが、再委託があろうが、完成物を納品さえしてくれればよいという契約です。したがって受注者には成果物の完成義務が発生します。
準委任契約には、履行割合型と成果完成型があります。
いずれの場合も、善管注意義務(「普通に考えてこのくらいやるでしょ」レベルの義務感)を追うもので、成果物の完成を必ずしも約束しない点が請負契約と異なります。
この成果物への完成のコミット具合から、瑕疵担保責任(正しくは「契約不適合責任」)や解約に関する考え方が異なります。

こういう契約まわりは、銀行員でも理解できる数少ない事項の1つですね。

 

 

3.論理的思考

(1)MECE

① データや事象の重複に気づくことができる

気づくことができます。
業務中でも、WBSの作成時や要因分解する際に意識しています。
MECE(ミーシー、またはミッシー)は「Mutually Exclusive and Collectively Exhaustive」の略で、直訳すると「お互いに重複せず、全体に漏れがない」という意味です。だいぶロジカルシンキングの基本としてよく挙げられるMECEですが、私自身は銀行に入ってから4年目に、出向先の方に教えていただきました。
その時、人生が変わったと言えるかも知れません。
このあたりのスキルは汎用的かつ重要度も高いので、個別に記事をあげようと思います。

(2)言語化能力

① 通常見受けられる現象の場合において、分析結果の意味合いを正しく言語化できる

”通常見受けられる現象”というのがどのような場合かが分からないので、なんともですが、ここは分析結果の意味合いを言語化するには、まずは解釈することが必要かと思いますので、データサイエンス力の充足をもって達成されるものと考えます。


(3)ストーリーライン

① 一般的な論文構成について理解している(序論⇒アプローチ⇒検討結果⇒考察 や、序論⇒本論⇒結論 など)

理解しています(大学で理系だったので)。
ただ、改めて学びなおしてみたいと思っていたので、何かよい本でもさらっと読んで本ブログにまとめ記事でもあげようと思います。
おすすめ書籍がございましたら教えていただけると大変喜びます。
ちなみに、ストーリラインとは、要はロジカルに伝えることだと思っていますので、ミント・バーバラ先生の「考える技術・書く技術―問題解決力を伸ばすピラミッド原則 」を読んでみようと思っています。


(4)ドキュメンテーション

① 1つの図表~数枚程度のドキュメントを論理立ててまとめることができる(課題背景、アプローチ、検討結果、意味合い、ネクストステップ)

まとめることができます。
このドキュメンテーションには、不朽の名曲である木下是雄先生の「理科系の作文技術」に説明されているものかと思いますので、こちらも記事にまとめてみようと思います(見習いレベルではオーバースペックかもしれません)。


(5)説明能力

① 報告に対する論拠不足や論理破綻を指摘された際に、相手の主張をすみやかに理解できる

理解できます。
説明能力カテゴリに、まずは相手の話を理解できることが記載されているのは感慨深いですね。人間、自らのロジックの綻びを指摘されると、どうしても我を通したくなってしまうものです(極端に一般化しましたが、少なくとも私はそうですw)。
そこでぐっと堪えて、まずは素直に人の話を聴くことは、とても大切ですね、はい。

 

 

4.課題の定義

(1)KPI

① 一般的な収益方程式に加え、自らが担当する業務の主要な変数(KPI)を理解している

理解できていません。
収益方程式、と言われるものを知りません。まずはググってみて、どういうものかを理解することからですね。
自らが担当する業務の主要な変数(KPI)の理解はできています(何年も銀行の本部セクションで働いてきたので)。


(2)スコーピング

① 担当する事業領域について、市場規模、主要なプレーヤー、支配的なビジネスモデル、課題と機会について説明できる

銀行業であれば、説明できます。
ここはデータサイエンティストとして働く方(さまざまな業種の方から委託を受けて分析を行う方)は、クライアントの事業領域について、これらを説明できないといけませんよ、ということですね。


② 主に担当する事業領域であれば、取り扱う課題領域に対して基本的な課題の枠組みが理解できる(調達活動の5フォースでの整理、CRM課題のRFMでの整理など)

 

 

5.データ入手

(1)データ入手

① 仮説や既知の問題が与えられた中で、必要なデータにあたりをつけ、アクセスを確保できる

これは実際に経験を積む中で習得していくものでしょうか。
まずは1つ、データ分析に関する自由研究をやってみることから始めようと思います。

 

 

6.ビジネス観点のデータ理解

(1)データ理解

① ビジネス観点で仮説をもってデータを見ることの重要性と、仮に仮説と異なる結果となった場合にも、それが重大な知見である可能性を理解している

理解しています。
仮説が違っていたことを知ることも、ビジネスに限らず大きな前進です。


(2)意味合いの抽出、洞察

① 分析結果を元に、起きている事象の背景や意味合い(真実)を見抜くことができる

ここは、論理的思考ともつながっている部分ですが、分析の結果得た事実をもとに、「なぜ?」を繰り返していくことが洞察力の本質と思います。
ここも実体験を通じて鍛えていくしかないことだと思いますので、データ分析に関する自由研究を通じて鍛えていくこととします。

 

7.事業への実装

(1)評価・改善の仕組み

① 結果、改善の度合いをモニタリングする重要性を理解している

理解しています。
結果は出して終わりじゃないですね。
金融機関は、貸出先に対するデフォルト率を算定するためにモデルと言われるものを利用していますが、同じローン商品でも申込層が変わってくるなどの理由で、モデルが陳腐化してしまうことがよくあります。
結果を出す前に、結果を評価する軸と基準を決めておくことは、とても大切なことだと考えています。

 

 

8.活動マネジメント

(1)プロジェクト発足

① ウォーターフォール開発とアジャイル開発の違いを説明できる

分かっているようで分かりません。
このあたりはネット上に解説記事も多いので、それをまとめることをしようと思います。

(2)リソースマネジメント

① 指示に従ってスケジュールを守り、チームリーダーに頼まれた自分の仕事を完遂できる

タスクの妥当性にもよりますが、できている…はずです。

(3)リスクマネジメント

① 担当するタスクの遅延や障害などを発見した場合、迅速かつ適切に報告ができる

このあたりは、プロジェクトマネジメントにかかすスキルをまとめたPMBOKで体系化されている項目ですので、余裕があればその勉強もしてみたいですね。

 

 

 

以上が、データサイエンティスト スキルチェックリストに定義されている、見習いレベルに必要とされるビジネス力に関するスキルです。

わりとたくさんありますね(汗

 

上記のように習得方針を記載してはいますが、実際はすべてを知る必要もないと思うので(スキルチェックリストでは、各スキルごとに「必須」フラグが定められているものの、全項目の70%を満たすことが求められている)、適宜必要に応じて学んでいこうと思います。

 

次回は、データサイエンス力・見習いレベル編のスキルを紹介します!